前売買ってたんですがなかなか見に行けず。
上映終わっちゃわないかなー、と心配しながら今日ようやく見てきました。
原作の小説「神々の山嶺」は小説というジャンルの中では一番好きな作品です。
もう、何度読んだか‥
コミカライズされた谷口ジロー先生の作品も素晴らしい。
どう考えても、映像化なんてできっこないですよ。
その大作が映画化される。
そりゃ、見に行きますって。
豪華なキャスト陣なのに、この画面のチープさは何だ。
いや、わかってますよ。
こんなん、2時間に収まるはずがないじゃないですか。
まともな予算で撮れるはずがないじゃないですか。
もっと思い切ってエピソード削ってもよかったんじゃないかなあ。
長谷さん、いらないでしょ。
何で生きてんの?何で車椅子乗ってんの?
それでも、ラストシーン。
雪の中に、あのノートが見えた瞬間、涙が止まらなくなった。
僕は、あの羽生の独白が大好きなんです。
狂おしく、未練がましく、何を失おうと、自分を貫く。
それを、阿部寛さんの声で読まれたら、そりゃ泣くよ。
四つん這いで、地上で一番高いところを睨みつけたまま死んだモーリスウィルスン。
エヴェレスト登攀史に残る、禍々しいエピソード。
羽生は言う。奴は俺だ、と。
山巓を真っ直ぐに見据え、目で歩きながら羽生は力尽きた。
想え、の後のシーンなんかいらないよな。
スタッフロール流しながら、下山のシーン入れたらそれでいいのに。
それでも、この素晴らしい山岳小説を映像化してくれてありがとう。
不可能を可能にしてくれてありがとう。